【ストーリー】

 

※こんなものを読まなくてもゲームはできます。

 

《神話》

 

第零章 グレンデルヒ

 最初の始まりのその前、世界にはただグレンデルヒ※1だけがありました。

 世界は限りなき絶無に覆われ、永久に安寧が続きました。

 全ては一様で、それ故に空間は死に、場所も距離もありませんでした。

 一切の変転は無く、それ故に時間も死に、過去も未来もありませんでした。

 言葉は無く、概念は無く、存在は無く、現象は無く、生は無く、死は無く、有は無く、無すら無く、世界も他の何ものも存在してはいませんでした。

 

※1.グレンデルヒとは、古代言語で『全なる無』を意味する。ありうる事全てとあり得ない事全てが完全に混じり合い、それら全ての性質を失ったもの。

 

第一章 雄鶏

 突然、時間が生まれました。※1

 雄鶏※2がやってきました。永劫の夜からの目覚めを告げる為です。

 雄鶏は一声啼くと、その燃える翼をはためかせて舞い上がり、一面の無に向かって鋭い嘴を突き通しました。

 無に開いた穴※3からは血が噴き出しました。これにより、世界から一様さが消えて空間が生まれました。

 溢れる血飛沫は雄鶏の発する熱波によって沸騰し、グレンデルヒの体を焼きます。全身が爛れて71の腕を持つ歪な姿となったグレンデルヒは笑いました。それは産声でした。また、断末魔でもありました。

 グレンデルヒは死にました。その体が大地となり、71の腕が千切れて71の魔女※4になりました。

 雄鶏はそれを見てもう一度啼くと、再び翼をはためかせて高く高くへ昇っていき、そして太陽となりました。

 

※1.時間が生まれた事によって雄鶏がやってきたとも、雄鶏がやってきた事で時間が生まれたともいわれる。

※2.この雄鶏は炎の翼を羽ばたかせて空を飛ぶ事ができ、その嘴は貫いたものに死と新生を与える力があった。

※3.世界に空間が生まれた時、この穴の開いた場所はグレンデルヒの左胸になった。

※4.『キュトスの71姉妹』とも。キュトスとは爛れて一様性が失われ混沌状態となったことにより発現したグレンデルヒの地母神的性質。また、元来グレンデルヒは女性神であるとし、男性神である雄鶏の嘴によって姉妹を懐妊したとする宗派(この場合、嘴が貫いた箇所はグレンデルヒの子宮となる)も存在する。

 

第二章 創造の時代

 グレンデルヒの腕から生まれた71の魔女たちは、グレンデルヒの死体である大地の上で気侭に暮らしました。

 彼女たちは、何も無い大地に退屈して様々なものを創り出します。

 ビークレット※1は太陽を真似て炎を創りました。

 シャーネス※2はビークレットの炎が美しく見えるように風を創りました。

 ハルシャニア※3は海を創りました。あまりにも上手くできたので、この素晴らしい海を自らに取り込もうと、彼女はずっと海岸で海に頭を突っ込んで水を呑んでいます。

 アミアウィズ※4は循環と潮汐を創り、太陽や風や海が自然に移ろい廻り来るようにしました。

 カタルマリーナ※5は歌を創りました。彼女の歌は全て魔術詠唱であり、魔女たちに現象を操作する力を与えました。

 ナタリエル※6は哲学を創りました。

 コキューネー※7は善悪を創りました。

 クレアノーズ※8は悪趣味を創りました。みんなに引かれました。

 ミュリエンティ※9は何もしませんでした。

 その他様々な現象概念存在生物etc.※10が創られ、世界は豊かで多様なものになりました。

 そして、アルセスが創られました。

 アルセスを創ったのは宵※11でした。彼女は同人誌仲間のヘリステラ※12に色々と教え込まれ、究極の美少年を創り出しました。

 アルセスの虜となった魔女たちは、代わる代わる彼を犯しました。

 71の魔女に71のシチュエーションで恥ずかしい衣装その他を着せられたり脱がされたり恥ずかしい台詞を言われたり言わされたりしながら入れたり入れられたり出したり出されたりしたアルセスは、かわいそうに精神が歪んでしまいました。※13

 アルセスはフラベウファ※14との緊縛プレイ※15中に逃げ出しました。

 

※1.第8番目。“白炎の”ビークレット。炎のように白い肌と白い髪、炎のように紅い目。ツンデレ。

※2.第7番目。“七つの風の主”シャーネス。巨乳。それはもう本当に。

※3.第42番目。“至福狂気”ハルシャニア。金髪碧眼の美貌だが、首から下は無数の触手。そして首から上はずっと海の中。

※4.第43番目。“時計仕掛けの”アミアウィズ。非常に正確な気分屋で、一時間毎に性格と姿が変わり、72時間で一周する。

※5.第3番目。“歌姫”カタルマリーナ。彼女の歌には聞く者の精神に干渉する作用があり、これは解除不能のパッシブスキルなので彼女自身ですら自らの歌声の評価をする事ができない。

※6.第55番目。“釘の”ナタリエル。体毛を硬化し射出する能力を持ち、身体能力の高さと相俟って高い戦闘性能を有する。非戦闘態勢時はみつあみでメガネ。

※7.第13番目。“脳髄洗い”コキューネー。『洗濯板・オブ・ジャッジメント』を用いて文字通り脳を洗う技術を持つ。家事は苦手。

※8.第11番目。“封印者”クレアノーズ。死姦とか発狂とか×××とかが趣味。リストカッター。

※9.第48番目。“絶対無為”ミュリエンティ。何もしない。絶対に。完全に。

※10.人類もこの時に生み出された。

※11.第69番目。“二刀無双”宵。両刀使い。

※12.第1番目。“路の女王”ヘリステラ。メインジャンルは女装少年モノ。宵をこの道に引き込んだ張本人。

※13.精神の歪んだアルセスは女装を好むようになった。宗教画などでベビードールを纏った姿で描かれるのはこの為。

※14.第19番目。“絶望の”フラベウファ。幼女。その凛とした魅力に踏まれたい者多数、しかし当人はM気質。

※15.フラベウファが受け。

 

第三章 闘争の時代

 逃げ出したアルセスは随所で暗躍し、不和と悪意の種を振り撒きました。

 忽ちにして幾多の戦争が勃発し、世界は戦禍と痛みに包まれます。

 まくろ派※1の魔法使いが対立するりもら派※2を襲撃しました。

 カシュラム王ブレイスヴァ※3は全世界に向けて侵略を開始しました。

 進化竜オルゴー※4は秩序を乱す全てを排除しようとしました。

 メクセト※5は神※6に闘いを挑みました。

 外界より剣師※7が現れてあらゆるものを斬りはじめました。

 クレアノーズは絶望して死にそうな兵士を攫ってきてはいたぶり犯して発狂させ殺して犯しました。ハルシャニアは海水を呑んでいました。ミュリエンティは何もしませんでした。

 比較的まともな性格の魔女たちはこの混乱を収めようとしましたが、世界はしっちゃかめっちゃかでもうどうにもなりませんでした。

 全てがめんどくさくなった魔女たちは辺境の地に星見の塔※8を建ててその中に引き篭もってしまいました。

 

※1.火を信仰し、魔術を破壊する力と位置付ける。

※2.水を信仰し、魔術を癒す力と位置付ける。

※3.自らを終端を弑する者と称したカシュラムの暴君。彼が君臨した時代、カシュラムでは戦争中にもかかわらず多くの優れた詩が創作された。

※4.竜とは魔女の生み出した『誇り、理想、意志といった素晴らしく尊いもの』の具象存在。対立する概念に猫が存在する。オルゴーは永遠に成長し強くなり続ける能力を持つ。

※5.史上最強の魔術師にして史上最強の武人。1032の『神滅ぼしの武具』を創った。

※6.魔女の生み出したものの中で最も強大な者たち。不老不死だったり最強だったり世界誕生前から居る事になっていたり、概ね厨設定。

※7.剣を帯びる者たち。彼らの剣は物質だけでなく時間や概念を斬る事ができた。

※8.頂に天文台を備えた小さな塔。魔女でなくては辿り着けないという。

 

第四章 覇者メテオラ

 やがて闘争は終わりを告げます。

 覇者メテオラ※1が他の全勢力を破壊し蹂躙し掌握しました。

 しかし永遠の戦いを望むアルセスはメテオラに紀元槍※2を与えました。

 メテオラは紀元槍を使い、世界はリセットされて新たな闘争が始まりました。

 メテオラが望んだのは名前でした。その為にこの紀元槍を求める争いは『メテオラ』と呼ばれるようになったのです。

 

※1.メテオラは元々概念技術者だった。彼の開発した『自動破壊性概念メテオラ』は付与した存在が何であれ、それを強靭無比にして無敵の兵器に作り変えてしまう。彼はこれを用いて世界を征する軍勢を作り上げた。

※2.あらゆる望みを叶える事のできる神レアアイテム。ただし変更を適応する為には世界を再起動しなければならない。

 

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